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知見 康弘; 岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 209, p.159 - 164, 2003/08
被引用回数:2 パーセンタイル:21.23(Instruments & Instrumentation)白金薄膜に10K以下で高エネルギーイオン照射したときの欠陥の蓄積を電気抵抗率測定により調べた。実験結果は欠陥生成と選択的照射アニーリングを記述するようなモデルを用いて解析された。高エネルギー(100MeV)重イオン照射において、電子励起による照射アニーリングがおもに照射初期に観測された。欠陥蓄積曲線及び欠陥回復スペクトルから、電子励起によって誘起された格子の擾乱に相当する実効温度が見積もられた。
倉田 有司; 板橋 行夫; 三村 英明*; 菊地 泰二; 雨澤 博男; 島川 聡司; 辻 宏和; 新藤 雅美
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.1), p.386 - 390, 2000/12
被引用回数:6 パーセンタイル:42.55(Materials Science, Multidisciplinary)ひずみのその場測定を行う照射下単軸クリープ試験によれば、クリープ変形の過程を詳細に調べることができる。タイプ304ステンレス鋼を用いて、異なる中性子スペクトルのもとで、照射下及び照射後クリープ試験を行った。照射後クリープ試験では、JMTRの通常スペクトル、高熱中性子スペクトル、熱中性子シールドスペクトルのもとで、はじき出し損傷率は約2dpa、ヘリウム生成量はそれぞれ、3appm,15appm,1appmまで550で照射した後、550でクリープ試験を行った。照射下クリープ試験は、高熱中性子スペクトル及び熱中性子シールドスペクトルのもとで、550で実施した。中性子スペクトルの違いは、照射後クリープ特性には、ほとんど影響が認められなかった。これに対し、照射下クリープ挙動には、明らかな中性子スペクトル効果が認められ、高熱中性子スペクトルのもとでクリープ変形が加速された。
岩田 忠夫; 岩瀬 彰宏
Radiat. Eff. Defect Solids, 144(1-4), p.27 - 61, 1998/00
固体に各種イオン、中性子のような異種の高エネルギー粒子を照射した時の効果を比較し、新粒子の照射効果を予測することを可能にするために、FCC金属について相互比較の物理的枠組の構築を行った。我々の行った極低温イオン照射実験と、欧米で行われた原子炉中性子、電子線照射実験から、低温回復ステージ、欠陥生成、及び、照射アニーリング断面積を抽出して比較検討した。照射効果を特徴づけるパラメータとして、PKAメディアンエネルギーを定義し、上記物理量は、DKAメディアンエネルギーの関数として、統一的に説明できることを示した。
岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 90, p.322 - 329, 1994/00
被引用回数:25 パーセンタイル:87.24(Instruments & Instrumentation)タンデム加速器、2MVVdG加速器を用いて行った低温照射実験の結果明らかになった「金属の照射損傷における電子励起効果」について、招待講演を行う。主な内容は以下の通りである。(1)照射アニーリングにおける電子励起効果。(2)電子励起による格子欠陥の生成
岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫; 仁平 猛*
日本物理学会誌, 48(4), p.274 - 278, 1993/04
タンデム加速器、及び、2MVVdG加速器を用いて行ったFCC金属の極低温照射実験によって得られた「金属のイオン照射損傷における電子励起効果」について解説する。主な内容は、(1)電子励起によるステージIの消滅と照射アニーリング、(2)電子励起による金属中の欠陥生成、である。
岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫; 仁平 猛*
Journal of the Physical Society of Japan, 61(11), p.3878 - 3882, 1992/11
被引用回数:13 パーセンタイル:66.31(Physics, Multidisciplinary)イオン照射したCuとAgにおいて、格子欠陥が、弾性的相互作用だけではなく、電子励起によっても生成されることを見出した。電子励起による欠陥生成の断面積は、Cuの場合、電子的阻止能Seの1.7乗に、Agの場合、Seの1.5乗に比例する。これら、2乗に近い依存性は、電子励起によって+にチャージした原子同士のクーロン相互作用が、原子のはじき出しの原因になっていることを示唆するものである。
岩田 忠夫; 岩瀬 彰宏
Radiation Effects and Defects in Solids,Vol. 113, p.133 - 154, 1990/00
核融合炉材料の「ミクロ組織変化に及ぼす反跳原子エネルギースペクトル及び核変換の効果」ワークショップ(1988年3月、ルガノ市)における報告を論文にまとめたものである。面心立方金属(Al,Ni,Cu,Ag)に10K付近で~1MeV及び~100MeVの各種のイオンを照射したときの損傷生成率、照射アニーリング、ステージI回復を電気抵抗変化により測定し、それらの反跳原子エネルギー依存性及び電子励起依存性を調べた。~100MeVの重イオン照射の場合に、高密度電子励起に起因する損傷生成及び照射アニーリングを見出した。また、損傷生成及び照射アニーリングの解析をモデルを提案した。
岩瀬 彰宏; 佐々木 茂美; 岩田 忠夫; 仁平 猛*
Journal of Nuclear Materials, 155-157, p.1188 - 1191, 1988/00
被引用回数:18 パーセンタイル:82.78(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉第一壁材料の候補材料であるステンレススチールの主要成分であるNiを液体He温度において84120MeVのC、F、Si、Cl、Br、Iイオンで照射し、損傷生成率、及び損傷の飽和過程を測定した。
岩瀬 彰宏; 佐々木 茂美; 岩田 忠夫; 仁平 武*
Journal of Nuclear Materials, 133-134, p.365 - 369, 1985/00
被引用回数:12 パーセンタイル:80.38(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉材料の照射損傷を模擬する、いわゆるシミュレーション実験の結果を相互比較する時の基本量である損傷断面積(単位照射量当りの欠陥生成数)を液体ヘリウム温度における電気抵抗変化を測定することにより求めた。照射はエネルギーや質量の大きく異なる数種類のイオン(H,Cl,Br等)により行った。イオンの加速は2MUVdG、タンデム加速器を用いた。試料はAl,Cu等の薄膜である。実験結果はNRTモデルに基づく計算値と比較した。実験値と計算値の比(損傷効率)はイオンによるPKAエネルギーが大きくなると共に減少するという結果が得られた。さらに照射欠陥の飽和過程、再結合体積、照射後の昇温に伴う欠陥の回復現象等も、PKAエネルギーに大きく依存することが判った。
岩田 忠夫
日本原子力学会誌, 16(5), p.231 - 240, 1974/05
放射線の照射による固体の原子のはじき出し、すなわち格子欠陥の生成について、黒鉛の場合を中心にして、実験結果をまとめて総説として寄稿したものである。格子欠陥の生成過程についての次のような基本的性質について議論した。それらは(1)原子のはじき出しのしきいエネルギーの異方性、(2)原子のはじき出しのカスケード、(3)原子のはじき出しにおよぼす照射温度の影響である。